今日は2・26事件の日

  • 2017.02.26 Sunday
  • 05:00

 2012年に「置かれた場所で生きなさい」というベストセラーがあったことを、ご記憶の方はおいでだろうか。著者は渡辺和子さんというカトリックの修道女だった。「読んでみたいな」と思いつつ、日が過ぎてしまったのだが、彼女の父親が二・二六事件で命を奪われた教育総監、渡辺錠太郎だったことを、ついさっきインターネットで知った。

 渡辺和子さんは成蹊小学校3年生の時に事件に遭遇。それも彼女の目と鼻の先で、父親が43発もの銃弾を浴びて殺された。その後、中高は四谷の雙葉、大学は聖心に進学し、上智で修士号、ボストンカレッジで博士号を取得。洗礼を受けたのは18歳で、29歳で修道会に入った。後年にはノートルダム清心の理事長や、日本カトリック学校連合会理事長も務められた。亡くなったのは去年の12月30日だったという。

 最近はカトリックの神父さまやシスターのなり手が減っていると聞くが、彼女も、あの凄惨な事件に遭遇しなければ、別の人生を歩んでいたことだろう。

 今日は2月26日。81年前の今日、この時間に、渡辺家も将兵たちに踏み込まれたのだろう。

 

新しい帯がついてます

  • 2017.02.23 Thursday
  • 17:51

 小学館文庫で去年6月に出た「愛加那と西郷」に、新しい帯がついています。文庫にする際には、大河ドラマが西郷さんになるなんて、夢にも考えていなかったけれど、せっかくならばと編集部で衣替えしてくれたようです。

 この親本の「黍の花ゆれる」のために、奄美大島まで取材に行ったのが、かれこれ十数年前。当時、本が1冊出ただけの駆け出し作家に、奄美の方たちは、とても親切にしてくださいました。

 奄美大島では大河ドラマの影響で、もう観光客が増えているそうです。格安航空券もあるらしいので、もう一回、奄美大島に行きたいな。今度は大島紬を買っちゃいそう。軽くて着やすいので、亡くなった母が大好きだったし、今、いちばん欲しい着物であります。

 

 

歴史ノンフィクション系の本が出ます

  • 2017.02.20 Monday
  • 18:58

 以前「WEDGE」という月刊誌の「なりわいの先駆けたち」というページで、いろいろな産業を起こした人物を、毎月ひとりずつ取り上げて連載したことがあるのですが、それが「明治なりわいの魁」という題名の本になりました。今日発売です。

 編集サイドで写真を探してくれたので、写真たくさんで、ちょっと版が大きめです。いつもの文芸書とは、ずいぶん雰囲気が違いますが、気楽に読んでみて頂ければ幸いです。

 

 

 

 

福井新聞の件など

  • 2017.02.18 Saturday
  • 01:34

『雪つもりし朝 二・二六の人々』の第1章の主人公は、当時の首相だった岡田啓介で、彼は福井の出身。以前、福井新聞で『家康の子』を連載していた時の担当者に「本の出版を機に、岡田啓介のエッセイを書かせて欲しい」と頼んだところ、ならば連載でという話になりました。で、結局、4回の連載に決まって、先週の木曜日の朝刊に第1回目が掲載されました。一昨日には2回め。来週、再来週も木曜日に載りますので、福井の方は、ぜひ読んでみて下さいませ。下の画像は先週のもの。私のエッセイのほかに、本の紹介も書いてくださったので、けっこう大きな記事になりました。

それと版元であるKADOKAWAの重役の方が、拙作の感想をTweetしてくださいました。褒めていただけてウヒャーと大喜び!

http://twitter.com/HP0128/status/832439978638528518

http://twitter.com/HP0128/status/832441228104904705

http://twitter.com/HP0128/status/832442819033698304

 

新刊「雪つもりし朝 二・二六の人々」が出ます

  • 2017.02.02 Thursday
  • 06:45

 2月4日に新刊「雪つもりし朝 二・二六の人々」が発売になります。「野性時代」で去年の5月号から、ほぼ隔月で連載した作品に加筆訂正をして、単行本化しました。

 最初に「野性時代」で何か連載をという話を頂いた時、私は描きたい題材を、いくつか編集者の方たちにミニプレゼンして、「どれにしましょうか」と振ったのです。すると、よりによって、いちばん手間ひま掛かりそうなものに決定してしまいました。つまりは2・26事件を、巻き込まれた人ひとりずつを主人公にして描く連作短編です。

 毎回、主人公も場所も変えて5つの物語を書くのですから、1回80枚の中編ながら、1冊分が書けるほどの調査と取材が必要で、それが5回。ずいぶんハードル高いなあとは思いましたが、もともと自分で出した企画だし、小説誌の連載は初めてだったので、全力投球でいこうと決めました。

 そもそも、なぜ2・26事件を書こうと思ったかというと、近年発行された2・26関係の本や雑誌の多くが、青年将校を擁護する雰囲気だからなのです。事件は、いわばテロ行為だし、それを擁護するのは、襲われた側が気の毒な気がしたのです。青年将校という呼び方にも違和感を覚えました。彼らの年齢は二十代後半から三十代なかばが多く、立派な大人です。それを青年と呼ぶことで、純粋性をアピールしているように思えてならなかったのです。

 殺されたひとり、高橋是清の住まいだった場所は、今は公園になっており、石碑が立っています。ただし碑文には2・26事件のことは書いておらず、ただ昭和11年2月に亡くなったとだけしか刻まれていません。あまりに痛ましい死で、遺族の方が、その事実を石碑にまで残したくはなかったのかもしれません。ただ私としては、襲われた側が不名誉であるかのような印象も、感じてしまったのです。

 それで被害者側から事件を描きたいというのが、最初の思いでした。その後、編集者と相談した時点で、巻き込まれた人というくくりで5人の主人公を決めました。

 ただし連載が始まってみると、「猫と漱石と悪妻」「家康の母お大」「女城主」のアンソロジーの中編などと同時並行になり、きつきつ状態。自分でも、いつ書いたのか記憶がないくらいです。

 しかも旧満州やサンフランシスコにまで取材に行き、単行本の校正ギリギリになっても、ちょっとしたことを確かめに、麻布の外交史料館や市ヶ谷の防衛研究所に足を運んだり。こんな手間ひまかけた本は、もしかしたら初めてかもしれません。

 装画と装丁デザインがとても素敵で、いい雰囲気になりました。2・26事件は血なまぐさい印象がありますが、家族の視点を加えた作品です。まして苦労して出したので、いつになく愛おしい本です。ぜひ、お買い求めを!

歴史街道2月号に

  • 2017.01.07 Saturday
  • 04:06

 8日から今年の大河ドラマが始まりますが、それに合わせて今月号の「歴史街道」は井伊直虎の特集です。今回に限らず「歴史街道」の特集は数人の筆者による分筆で、私は直虎の生涯の終盤5ページを担当しました。

 直虎は、もともとゲームで人気が出たキャラクターで、戦国時代の人物としては、けっしてメジャーどころではなく、史料も少ないのです。なので男性だったという説が出るのも致し方ない面もあります。

 大河ドラマとして彼女を取り上げるのは一種の冒険かなとは思いますが、NHKのサイトの予告編を見る限りでは、なかなか面白そうです。ドラマがヒットすると関連本が売れて、歴史系の出版界も潤って、ほかの本も出しやすくなるという波及効果があるので、大河には頑張って頂きたいところです。

 ともあれ「歴史街道」2月号、「果てなき図面」の2回めも掲載されていますので、ご注目ください。

http://www.php.co.jp/magazine/rekishikaido/

 

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