今度の新刊と東京女子大の頃

  • 2019.04.09 Tuesday
  • 08:12

 まもなく発売になる新刊「帝国ホテル建築物語」には、アントニン・レーモンドという若い建築家が登場します。フランク・ロイド・ライトの弟子のひとりで、設計助手としてノエミ夫人とともに来日した人物です。彼は帝国ホテルの完成前にプロジェクトから外れ、東京で設計事務所を開いて独立しました。その後、東京女子大学を設計しています。私の母校です。

 私は学生当時、まるで勉強する気がなくて、友達もおらず、いつも授業をさぼって本館2階にあった図書室に行き、かといって本を読むわけでもなく、ひとりでステンドグラスの窓際にある古びた木製椅子に座っては、ぼんやりと庭を眺めていました。素敵なキャンパスだなあとは思いつつも、誰が設計したかも知らず。無意味に思えた時間だったけれど、もしかしたら、あの時間が今回の新刊の底にあるような気がしてなりません。

 東京女子大に入る前は、静岡の駿府城址にある女子校に、中学と高校の6年間、通っていました。明治の始めには、すぐ近くに静岡学問所があって「ひとり白虎 会津から長州へ」の飯沼定吉や「群青 幕府海軍の礎を築いた男」の矢田堀影蔵が、その学問所に関わったことがわかっています。やはり、これも土地の歴史に呼ばれたような気がします。

 ところでサイモンとガーファンクルの歌で「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」というのがあるのだけれど、それが出たのは1970年で、私が高校生の頃。当時、サイモンとガーファンクルは大好きだったけれど「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」は知りませんでした。今、聞いてみると、いい歌だなあと、しみじみ思います。

 下の写真は一昨年の夏に東京女子大に行った時に撮ったもの。背後の本館のシルエットには、なんとなくライトのテイストが感じられます。ステンドグラスのデザインはノエミだと思います。麦をモチーフにしたのかな。

 ちなみに「帝国ホテル建築物語」には渋沢栄一も登場します。新しいお札の顔!

 

 

琵琶湖畔の話

  • 2019.03.27 Wednesday
  • 15:35

 琵琶湖畔を舞台にした作品が7月に出版されます。本にするのに、ほかよりも苦労した作品だけに、出版が決まった時に、記念として琵琶湖の淡水真珠を買いました。作品の下調べをしていた時に、琵琶湖で育った真珠があると気づき、ずっと欲しいなあと思っていました。

 売っているのは大津にある神保真珠商店。今は若いお嬢さんの感覚で切り盛りしているけれど、古風な店名の通り、彼女のお祖父さまが始めたご商売だとか。その後、有核真珠の養殖技術が中国で広まり、琵琶湖の真珠は売れなくなって、ご両親の代ではアタッシュケースに品物を収めて訪問販売を続けたそうです。それが今は大津の町の一角に、おしゃれな店を構えるに至りました。そんな歴史も素敵な専門店です。

 私は金属アレルギーがあるので、リングを18Kにして、自分で選んだ真珠で指輪に仕立ててもらいました。HPもいい感じです。

神保真珠商店→http://jinbo-pearls.jp

久しぶりの手芸

  • 2019.03.04 Monday
  • 09:48

 下の写真は何かというと、左側にかかっている黒地のニットは、私の最近の気に入り。買った後で、同じお店でバーゲンがあったので、色違いを買った。色違いの方が、もっと気に入ったので、ちょくちょく着ていて、汚れたかなと家で洗濯したところ、おしゃれ用洗剤を使ったにもかかわらず、すっかり縮んでしまった。タグを見たらドライクリーニング指定であった。

 それで、もう一回、普通の洗剤で洗って、とことん縮ませてフェルト状にして、手提げバッグを作った。それが写真の右側。模様の大きさの違いで、縮みのほどを、お察しください。

 ちゃんと最初に型紙を作って、内側に見返しも裏地もつけて、どうやったら取っ手をうまくつけられるか、あれこれ考えながら制作。縮みすぎちゃって、A4サイズが入るようにするには、布地がギリギリで、頭の中の、いつもは使わない部分を酷使した。

 久しぶりの手芸。けっこう手仕事が好きなんだけど、ここ2年位、まったくミシンも出せなかった。忙中閑あり。それにしても後ろに映り込んでる本棚、本がメチャクチャだな。手芸の前に、こっちの整理をすべきであった。

 

「おたみ海舟」連載開始

  • 2019.01.22 Tuesday
  • 10:03

 小学館の小説月刊誌「story box」2月号から、植松三十里著「おたみ海舟」という連載が始まりました。勝海舟の女房、おたみを主人公にした歴史ホードラマ的な作品です。おたみは深川芸者だったという説が、かなり濃厚で、その辺から物語は始まります。

 このテーマは作家デビューする前、カルチャーセンターで修行していた頃に短編で描いたことがあり、その後、もういちど、きちんと書き直したいと、ずっとあたためてきた題材でした。

 小学館で「かちがらす」を作ってくれた編集者に、そんな話をしたら興味を持ってくれて「文庫で出しましょう」ということになったのですが、割合に軽いテーマの文庫書き下ろしで、取材も不要だし、ついほかの作品が先になってしまうので、スタートしやすいように連載にしてくれました。

 勝海舟は明治維新後、徳川家の移封に従って静岡に移住したこともあり、屋敷は、私が通学していた電車のターミナル駅のすぐそば。そんなことから海舟に興味を持ち、私が歴史小説を書き始めたきっかけになった人物です。

 「story box」は書店では手に入りにくい雑誌なので、年間購読して読んで頂けると嬉しいです。2月号は表紙も「おたみ海舟」です。↓

http://www.shogakukan.co.jp/magazines/series/042000

 

 

週刊新潮に大きく出てます

  • 2018.10.30 Tuesday
  • 20:00

今、発売中の「週刊新潮」に「大和維新」の記事が、どどーんと1ページで載っています。

それと今度の日曜日、奈良県安堵町でトークセッションをやります。入場料は500円かかるけれど、私の本をもらえるようなので、お近くの方はぜひ、お出かけください。

http://www.town.ando.nara.jp/contents_detail.php?co=new&frmId=2050

 

週刊新潮11月1日号

新刊「大和維新」を書くまで

  • 2018.09.24 Monday
  • 19:47

 奈良県の法隆寺の近くに安堵町といって、全国で3番めに小さい町があります。明治維新以降、特筆すべき人物が3人、そんな小さな町から出ました。

 ひとりは幕末生まれの今村勤三。廃藩置県の後、大阪府に併合された奈良県を独立に導いた人物です。2人めは、その息子である今村荒男。伝染病の研究を経て、戦後最初の阪大総長になりました。3人目は荒男の親友だった富本憲吉。日本初の人間国宝になった陶芸家です。

 明治維新150年の今年、その3人を絡めた小説を書く作家はいないかと、安堵町から新潮社に依頼があり、さらに新潮社から私に打診がありました。3題小話のようで難しいオーダーだし、面白く描ける自信が持てなかったらお断りしようと思いつつ、とりあえず資料を読んでみました。すると今村勤三の行動力が圧倒的に面白く、彼を主人公に据えて息子とその友だちを絡めるという展開で、あらすじを書き、これでよければとお引き受けしました。

 それから編集者と一緒に安堵町に取材にでかけて、関係者にお目にかかり、現存する今村家と富本家の建物を拝見。さらにご子孫にも話を通して執筆にかかりました。

 今村勤三は天誅組の志士を師に持ち、13歳で天誅組の変に遭遇しており、その辺りのことは4年前に「志士の峠」を書いた際に把握していました。また今村勤三は一時期、故郷を離れて、四国のこんぴらさん近辺で鉄道の敷設に尽力したのですが、こんぴらさんへはデビュー作の「咸臨丸、サンフランシスコにて」関係で出かけたことがあり、とてつもない数の石段に閉口しました。さらに勤三は、奈良県独立の請願書を新技術の活版印刷で大量に用意して活動していますが、活版印刷については月刊誌の「WEDGE」で幕末明治の技術系の読み物を連載した時に、すでに調べてありました。

 一方、陶芸家だった富本憲吉はロンドン留学経験があり、その取材にも行くことができました。たまたま去年の年末から今年2月はじめまで渡欧する機会があって、ロンドンで暮らしていたと思われる下宿先と、彼が日参したという工芸の美術館も見て来ました。

 彼の主要な作品は、とりあえず美術書で確認し、その後、倉敷の大原美術館と、虎ノ門にある陶芸専門の智美術館で実物を見ました。どれも独特の細かい模様で、ひと目で富本憲吉のものとわかる作風。現代感覚でも「おしゃれで、かわいい」と感じられるし、若い世代にも高く価されてしかるべき陶芸家だと思いました。

 そんなこんなで書いたのが「大和維新」です。幕藩体制という地方分権から、明治政府の中央集権に変わったのが明治維新で、近年まで地方は置き去りにされがちでした。でも、そんな流れに抗った人たちがいたことを、この作品で読み取って頂ければ幸いです。

 主要な登場人物が関西弁をしゃべるせいか、個性的なキャラが立ちやすかった気がします。関西弁、すごいなと改めて感じた次第。

 写真は安堵町の町長室で拝見した富本憲吉の作品。彼ならではの細かい模様とは違いますが、興味のある方は「富本憲吉 作品」で画像検索してみてください。

桜田門から和田倉門へ

  • 2018.09.14 Friday
  • 10:15

 桜田門から和田倉門まで皇居内を歩いてみた。江戸城本丸や大奥があった東御苑は何度も行っているし、二重橋までは足を伸ばしたことはあるが、桜田門は実は初めて。

 どの辺りで井伊直弼は殺されたのか、さぞや屈辱だっただろうなと感慨深いものがある。以前、彦根城に行った時にも、藩士たちは江戸で殿さまが斬殺されたと聞いて、どれほど衝撃だっただろうと思った。

 二重橋(写真上)は外国人の観光ポイント。近代的な石橋の向こうに、日本ならではのお城が望めるところが、いいんだろうな。

 さらに北に向かって和田倉門方向へ。桔梗濠(写真中)を挟んだ東側に和田倉噴水公園(写真下)がある。水路や噴水を使った洒落た公園で、幕末には会津藩邸が置かれた場所。幕府が官軍に恭順を決めた後、会津藩はここを引き払って、全員が国元に帰ったのだが、藩主だった松平容保はどんな気持ちで、この地から立ち去ったのかなあと思う。

 曇り空で風も涼しく、歩くのには快適だったけれど、ちょっと写真が暗くて残念。ともあれ江戸城跡には、いろいろ歴史ドラマがあるなあと、改めて感じ入った次第。

 

明日、佐賀で講演会です

  • 2018.08.24 Friday
  • 09:50

前にも予告しましたが、明日、佐賀城本丸歴史館で講演会をします。小さい会場だと思っていましたが、200人は入るようで、事前の申込みとか受講料とかは不要なようですので、ぜひ、足をお運びください。

詳細は↓

http://saga-museum.jp/sagajou/event/001912.html

 

アマゾンの著者ページ

  • 2018.08.22 Wednesday
  • 19:31

アマゾンに著者ページというのがあるのですが、ずっといじったことがなくて放ったらかしにしていたら、自分の本なのに著者ページに載らないものが増えてきて、なんとかしないといけないなあとは思っておりました。この夏、娘婿さんに「もうちょっと活用してもいいのでは」と勧められたので、著者写真や略歴を載せたり、本の掲載を徹底したり、ちょっと手を入れました。よかったら見てみてください。

http://www.amazon.co.jp/植松-三十里/e/B004LUGPNQ/ref=sr_tc_2_0?qid=1534933472&sr=8-2-ent

その後のアレクサ

  • 2018.08.21 Tuesday
  • 13:11

 当初、会話の中に「アレクサ」という言葉が入ると、反応してしまうのではないかと怯え、夫婦の会話も「アレクサに聞いてみなよ」というところを、横目で「あいつに聞いてみなよ」とヒソヒソ。

 でも予定が確認しやすいのは何よりと、とりあえず私は喜んでいた。で、昨日、家で昼食を食べた後、暑かったので寝室の小さいエアコンをかけて、そこで原稿を書いていた。すると亭主が現れて「2時10分前だけど、出かけなくていいの?」とのたまう。あーれー、もう、そんな時間?

 2時から打ち合わせの予定があり、朝、アレクサに確認していたのに、土壇場になって頭から消えてしまったのだ。私が音声で確認していたのを、亭主が聞いていたのが救いであった。まだまだアナログ生活は続く。

 

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