金魚を飼う

  • 2007.06.19 Tuesday
  • 10:05
子供たちが幼い頃、金魚は私にとって面倒以外の何ものでもなかった。
夏祭りの夜店で、子供はかならず金魚すくいをやりたがる。
すくえるはずもなく、ひとり一匹ずつ、小さな和金をもらって帰る。
以降、子供たちが興味を持つのは餌やりだけで、
水換えは私の仕事。くっさい水を捨てて、ドロドロの水槽を洗うのは私。
金魚が死んだ時に、子供たちにはお墓に埋めたと言いつつ、
こっそり捨てるのも、私の仕事。あー、面倒。

どうせひと夏もてばいいやという感覚だったが、
ある時、仲間が次々と死んでいく中(なんだか戦争描写みたい)で、
強靭に生き続ける金魚がいた。

最近、子供ふたりを置き去りにして遊び呆けてたヤンママが逮捕され、
子供が餓死してもいいと思ったと供述したそうだが、
私の対金魚感情は、あのヤンママ並みであった。
反省。

ともあれ水換えもしない最悪の環境下、金魚は元気で生きていた。
そのけなげさは、怠惰な主婦の心までをも動かした。
しかたなく水を換え、金魚藻やエアーポンプを装備して、
環境改善に努めたところ、その金魚は驚異的に長生きした。

途中で、赤い色が抜け、白っぽい魚になってしまい、
実は金魚じゃなかったんじゃないかとまで疑われたが、
その金魚は、我が家が札幌から東京に引っ越すまで生きていた。
さすがに飛行機に乗せるわけにもいかず、知り合いに引き取ってもらった。

以来、いつかまた金魚を飼いたいなあと、密かに夢見ていた。
それもちょっとこだわりがあって、平鉢で飼いたかった。
私の頭の中のイメージとしては、夏の暑い盛り、浴衣姿の江戸小町が、
ぬれ縁に瀬戸物の平鉢を置いて、水を張り、金魚藻を散らして、金魚を飼い、
それを団扇片手に眺めるという風情。

でも金魚が飼えるような大きな瀬戸物の平鉢は、えらく高い。
それであきらめていたのだが、
最近、300円ショップで、平たいガラス鉢(写真)を見つけた。
おお、瀬戸物ではないが、むしろ、こっちの方が涼しげでよいとばかり、
即刻、購入。その日のうちに水を張っておき、翌日ペットショップへ。


最近はデパートの屋上のペットショップには、犬猫はいても金魚はいない。
で、町外れのペットショップにまで足を運んだら、
爬虫類まで扱っている店で、爬虫類オタク風のお兄さんが、えらく愛想のない接客で、
私が選んだ流金2匹を、水と一緒にビニール袋に入れてくれた。
エアーポンプ、藻、餌なども一式買って、包んでもらい、
会計をせんばかりになって、彼が言った。
「エアーポンプの管、要ります?」
私の買ったエアーポンプは本体だけで、管がついてないんだそうだ。
要らない訳ないじゃんと、こめかみピクピク状態だったが、
まあ、聞いてくれただけでもありがたいと思わねばなるまい。

わくわくしながら帰宅し、流金2匹をガラスの平鉢に放ち、
ああ、江戸の風流よと喜んでいたら、喜んでいたのは私だけで、
流金にはえらく迷惑だったらしい。あまり動かないのだ。
環境の激変に驚いているのだろうと、様子を見ることにしたが、
気になって、しょっちゅう平鉢をのぞく。
死んじゃわないかと、ハラハラどきどき、あー、心配。
以前のヤンママ並み無責任とは雲泥の差。

だが翌日、片方が昇天。ああ、悪かった。やっぱり浅過ぎたんだと反省し、
取り急ぎ、2リットル入りのペットボトルを半分に切って、
下半分を金魚鉢代わりにし、生き残った1匹を移動させた。

娘いわく、
「流金なんか買うからだよ。和金にしときゃよかったのに」
たしかに原種に近い方が、生命力が強いに決まってる。
でもね、私は尻尾がひらひらしている流金を、
平鉢に入れて、上から見たかったのよ。

またまた300円ショップに突っ走り、
こんどはいちばん大きな丸形ガラス鉢を購入。
ひとまわり小さいやつはシンプルで、表面がつるんとしてるが、
いちばん大きいのは、どういうわけか、表面に段々の模様がついている。
これでは金魚がよく見えない。
でも平鉢で懲りているだけに、金魚の住環境重視、見え方二の次。
自分でも極端に走ってるなあとは思いつつ、とにかく大きいのを買って帰宅。

それからひと月。
金魚は機嫌よく生きている(写真)。
近づくと、餌をくれるかと思って水面に浮上。
私と金魚のコミュニケーションは、
金魚「餌、おくれ」
私「はい、お食べ」
というだけの、いたってシンプルな関係だが、今のところうまくいっている。


あこがれの江戸風流からは、だいぶ離れてしまったが。
でも飼ってる本人が江戸小町じゃないんだから、
最初のイメージ設定からして、無理があったのだ。

ちなみにガラスの平鉢は、上の写真の通り、
水生植物の鉢に転用されている。涼しげで満足。
これもひと夏で枯れてくれるといいのだが、
変に丈夫だと、また面倒だなと、内心やや不安。

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  • 2018.11.13 Tuesday
  • 10:05
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    コメント
    涼しげで、美しいではないですか。
    むか〜し、家の庭に、でっかい陶器の鉢があり、その中に金魚や(それの育ったらしい)ちょっと大きな和金がおりました。
    でも、のら猫ちゃんが遊びに来たり…で、気がつけば金魚はいなくなっていて、いつしか蚊が湧くからと、水も入れなくなったと思います。
    その後、小学生の頃には、金魚はガラスの金魚鉢でかいました。
    餌やりの時に、上にあがってくるのが可愛いですよね。
    ちなみに本に付いてたミジンコだっけ?も飼いまして、これも可愛かったですよお。ヘンですか。
    • 京雀
    • 2007/06/19 4:31 PM
    うちの玄関にはタフな金魚が二匹、過酷な環境とルーズな飼い主の仕打ちにも耐えて生き続けています。もうすぐ満一歳。やはり通称・エサ金はしぶといのですね。
    お外に放置されているメダカも孵化しながら地道に量産されています。魚属は飼い主がイー加減でも生命力を発揮するようです。ちなみにカブトムシ系列は、ガキの世話がテキトー過ぎるためか統計的にみて長生きしてくれません。
    • 夢酔藤山
    • 2007/06/19 8:42 PM
    金魚って永く生きているうちにフナになりますよね?(笑)
    おじぃちゃんが和金を飼っていましたが
    (やっぱり私が小さな頃に夜店ですくって来たのですが)
    大きくなるにつれ違う魚になって行きました(´〜`●)ヾ

    我が家では近所の河で「メダカを取って来た♪」と息子1号と
    母が持ち込んだ魚を飼っていますが、最近急に大きくなり
    どうやら『ハヤ』の子供だったようで・・・。

    これから先、私はハヤの飼育をしていく事になりそうです・・・。

    金魚は何気に癒されますよね♪
    • チロ
    • 2007/06/19 8:44 PM
    ☆京雀さん
    おお、さすが京町家育ち!
    京町家の中庭に、そんな鉢があって金魚がいるってのも、
    ええどすなあ。

    ☆夢酔藤山さん
    男の子は金魚だけじゃなくて、カブトムシ系も飼うのですね。
    娘しかいないので、知らなかった。

    ☆チロさん
    やっぱり金魚は仮の姿だったのか!
    メダカがでっかくなっちゃうのもビックリですよね。
    • 三十里
    • 2007/06/20 9:51 AM
    向井千秋さんが宇宙で飼ったメダカの子孫をいただいたことがあります。
    「貴重なメダカなので大事にしてください」
    との送り主の忠告もままならず
    「あっ!!」という間に全滅してしまいました。
    メダカも難しいですよ。
    生き物飼うのは向いてないかも・・・
    流金長生きするといいですね。
    • 2007/06/25 3:09 PM
    麟の字、何を考えたのか、新たにカニを拾ってきやがりました。このままでは我が家が動物王国になりそうで怖いです。
    • 夢酔藤山
    • 2007/06/25 9:30 PM
    ☆無記名さん
    宇宙メダカの子孫! ありがたいメダカですね。
    ちなみに、わが家には南極の氷のカケラが、
    もう何年もフリーザーの片隅に転がってます。
    いただいた当初は、亭主がオンザロックにして自慢していたのですが、
    だんだん小さくなっていくにつれ、もったいなくもなり、
    ある大きさになったところで、とんと使わなくなって、
    今やフリーザーの霜と一体化。

    ☆夢酔藤山さん
    カニを拾ってくるなんて、川遊びとかしているのかな。
    いいですね、そういう子育て。
    • 三十里
    • 2007/06/27 4:54 AM
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